99・9%は仮説 -思いこみで判断しないための考え方
99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)
- 作者: 竹内薫
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/02/16
- メディア: 新書
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という衝撃の指摘から始まる本書。
普段、何気なく信じている様々な事象も、実は全て仮説の域を脱していない代物なのだそうだ。
『たとえば、いまみなさんは「光速より速いものはない」と教わっているはずですが、これだって仮説にすぎないのです。』
つまり、科学の基本は「世の中は全て仮説に過ぎない」ということ。
今日の常識も明日には180°ひっくり返る可能性を秘めており、本書ではその例としてロボトミー手術やエーテルの存在、冥王星、宇宙定数の話を紹介している。
私たちの生きる世の中は、実に不安定な世界のようだ。
そんな世の中を科学的に見るためにはどうしたらよいのだろう。
まずは「仮説をはずして考える」ということ。
アインシュタインが相対性理論を考えるにあたり、当時の主流であった「エーテルの存在」という仮説(=常識)を捨てる必要があった。
このように、普段当たり前に思っていることや暗黙の了解を「仮説」であると考え、ホントにそれは正しいのか疑ってみる。
ただ、何かから何まで疑ってかかるというより、『「そんなことありえない」と頭ごなしに否定するのではなく、「限りなく黒に近いけど、これもやっぱり仮説のひとつだ」と肯定的に考えるべきなのです。』
そして、「相対的にものごとをみる」ということ。
客観や主観を離れた「間主観性」でものごともみることが大切であると筆者は述べる。
自分の仮説と他の人の仮説は違うもの。
そのバラバラな主観的仮説どうしのあいだを「翻訳」し、全体を上手く協調させることが必要なのだと。
言葉の上では難しそうな話だが、決しそんなことはなく
『間主観性とは、ようするに、「相手の立場になって考えてみる」というだけのことです。』
私もあなたも、頭の中は仮説だらけ。まずはそれを理解することが大切。
『科学的な態度というのは、「権威」を鵜呑みにすることではなく、さまざまな意見を相対的に比べて判断する"頭の柔らかさ"なのです。』