アイデア発想術4「質問を再構成してみる」

starocker2006-08-10

今回の参考文献

BCG流 非連続思考法 アイデアがひらめく脳の運転技術

BCG流 非連続思考法 アイデアがひらめく脳の運転技術

質問を再構成してみる


イデア発想系の本では実に様々な方法が紹介されているけど、それらの基本的な構造は上の図のような感じだと思う。
つまり、まず解くべき質問や問題を確認し、その質問に対して拡散的にアイデアを膨らませていき、ある程度アイデアが出揃ったところで今度は論理的に評価して収束させる、という3つのプロセスが肝心なのだろう。
どれも工夫しがいのあるプロセスで、特にプロセスの発端となる「質問」を上手い具合に見つけれるかどうかが鍵になる。スタートでつまずくことはできるだけ避けたいものだ。


あなたは今、格安航空会社を設立して一山当てようと目論んでいるとする。
この場合、問うべき質問として

どうすれば低コストの航空会社を設立できるか

という質問が思い浮かぶだろう。しかし、この質問からはあまり具体的なイメージが湧いてこないのではないだろうか。


そこで、本書の例に倣って次のように質問を再構成してみる。

ふだん長距離バスを利用している人々にどうしたら飛行機を使ってもらえるか

こちらの質問の方が「長距離バス」や「利用している人々」を具体的にイメージでき、アイデア発想のスタートとしてより適しているように感じられる。
質問を与えられたとき、それをそのまま受け取ってブレインストーミングなどを開始するのが良いとは限らない。
質問には質問以上の意味があるということを肝に命じておこう。


質問を再構成する一つの方法は、質問を別の感覚に訴えかける方法だ。特に視覚で捉えられる形式に再構成すれば、イメージが湧きやすくなるだろう。
また、質問を反対の性質や特徴で捉え直す方法も考えられる。
彼のアルキメデスは「王冠が純金でできているか」という「質」の問題を、王冠の重さという「量」の問題に置き換えて考えることで、「Eureka!(分かった!)」という有名な言葉を残すことになった。
さらには問題に対する視点や認識を変えてみるのも有効であるし、前のエントリのように制約を加えるような形で再構成してみるのも良いだろう。
イデア発想の第一歩として、「問題そのものが問題である」と認識して取り組むことで、よりバラエティに富んだアイデアを創造することができると思う。