年末年始に読んだ本

帰省時の電車内と実家の空き時間で小説を何冊か読んでいました。
こちらでまとめてご紹介。

早瀬乱サロメ後継

サロメ後継

サロメ後継

箱に納められた左手首には古い傷が無数に残り、指がない。その指は手首が切断される何年も前から少しずつ切り落とされていた。 次々と現われる人体の一部。
その近くにいる者は、抗いがたい望みを抱く。
「欲望は伝播するんだよ」と言って老刑事は闇へと消えた。
そして――
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_search.php?pcd=200605000174

人体の肉片、傷跡に込めた欲望が人に伝播する。その欲望は本当は誰のもの?
戯曲『サロメ』(サロメ - Wikipedia)を主題としたホラー作品。
絵を想像したらゾクゾクきた。。

山本弘/アイの物語

アイの物語

アイの物語

『神は沈黙せず』の著者がつむぐ 機械とヒトの千夜一夜物語
数百年後の未来、機械に支配された地上。その場所で美しきアンドロイドが語り始めた。世界の本当の姿とは?
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_search.php?pcd=200204000232

アンドロイド「アイビス」に捕えられた主人公が聞かされた、人と機械の真実の物語。
面白かった、のだけど、なかなか素直に話にのめり込めれなかった。
意外と自分はSF小説が苦手なんだということを発見した。。

辻村深月/ぼくのメジャースプーン

ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)

ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)

3ヵ月前の事件に終止符を。
大切なあの子を救うため戦う「ぼく」の7日間。
不思議な力を持つ小学4年生「ぼく」の、罪と罰のカタチ

「ぼく」は小学4年生。不思議な力を持っている。
忌まわしいあの事件が起きたのは、今から3ヵ月前。「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎが、何者かによって殺された……。大好きだったうさぎたちの無残な死体を目撃してしまった「ぼく」の幼なじみ・ふみちゃんは、ショックのあまりに全ての感情を封じ込めたまま、今もなお登校拒否を続けている。笑わないあの子を助け出したい「ぼく」は、自分と同じ力を持つ「先生」のもとへと通い、うさぎ殺しの犯人に与える罰の重さを計り始める。「ぼく」が最後に選んだ答え、そして正義の行方とは!?
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=1824783

不思議な力を持つ「ぼく」と「先生」の対話を中心に、うさぎ殺しの犯人に与える罰を考えていく。
「ぼく」は幼なじみを苦しめたことへの復讐がしたいのだろうか?それとも?
最後、うさぎ殺しの犯人と「ぼく」が対峙する場面で「ぼく」が出した答え、そこに「ぼく」の覚悟が。

米澤穂信/犬はどこだ

犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)

犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)

何か自営業を始めようと決めたとき、最初に思い浮かべたのはお好み焼き屋だった。しかしお好み焼き屋は支障があって叶わなかった。そこで調査事務所を開いた。この事務所〈紺屋S&R〉が想定している業務内容は、ただ一種類。犬だ。犬捜しをするのだ。――それなのに開業した途端舞い込んだ依頼は、失踪人捜しと古文書の解読。しかも調査の過程で、このふたつはなぜか微妙にクロスして――いったいこの事件の全体像は? 犬捜し専門(希望)、25歳の私立探偵・紺屋長一郎、最初の事件。『さよなら妖精』で喝采を浴びた著者が新境地に挑んだ青春私立探偵小説!

タイトルの割に、この物語には犬が出てこない。いや、一応は登場したが、本編とはほぼ関係ない。まさに「犬はどこだ」。
犬探し専門探偵を開業して最初の事件が人探し。お次の事件が古文書解読。
全く関係ないと思われる2つ事件が描く事件の全体像とは?
予想外のラストを読んで、なるほどある意味ラストも「犬はどこだ」だと思った。
今後も<紺屋S&Rシリーズ>として続刊していくそうで楽しみ。

米澤穂信古典部シリーズ>

氷菓

氷菓 (角川文庫)

氷菓 (角川文庫)

何事にも積極的に関わらない奉太郎が、姉の命令で入部させられた古典部で、部員の少女の叔父が関わった三十三年前に起きた事件の真相に迫る。省エネ少年と好奇心少女が繰り広げる青春ミステリー。
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200108000110

愚者のエンドロール

愚者のエンドロール (角川文庫)

愚者のエンドロール (角川文庫)

文化祭の準備に追われる古典部のメンバーが、先輩から見せられた自主映画。廃屋で起きたショッキングな殺人シーンで途切れたその映像に隠された真意とは!? ちょっぴりホロ苦系青春ミステリの傑作登場!
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200203000544

クドリャフカの順番―「十文字」事件

クドリャフカの順番―「十文字」事件

クドリャフカの順番―「十文字」事件

待望の文化祭。だが、折木奉太郎が所属する古典部では大問題が。手違いで文集を作りすぎてしまったのだ。古典部知名度を上げて文集の完売を目指すため、奉太郎たちは学内で起きた連続盗難事件の謎に挑むことに!
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_search.php?pcd=200501000087

同著者の<小市民シリーズ>(参考1)(参考2)は読んだので、今度は<古典部シリーズ>。
タイムシフト的には「氷菓」が高校入学から夏休みまで、「愚者のエンドロール」が夏休み、「クドリャフカの順番」が文化祭となっている。
古典部シリーズ>でも主要キャラクターがそれぞれ魅力的で、ミステリーはもちろん面白いけど、各キャラクターの掛け合いが一番楽しめたように思う。
本シリーズも以下続刊とのこと。次は冬休みあたりが舞台なのかな。