2007年上半期のお気に入り本

早いもので今年ももう半年経過。
一応は節目ということで、先月までに読んだ本の中でお気に入りの本をまとめてみます。
なお、本は新刊中心です。

サイエンス系

数学する遺伝子―あなたが数を使いこなし、論理的に考えられるわけ

数学する遺伝子―あなたが数を使いこなし、論理的に考えられるわけ

「人は生まれながらにして数学する能力を持っている」という、数学嫌いが聞いたら噴飯ものの一冊。それだけに興味深い内容です。
個人的には同著者の『数学する本能』の方が分かりやすいかなと。日本での発売日は『数学する遺伝子』の方が後だけど、ホントは『数学する本能』の方が新刊なんですよね。
数学する本能―イセエビや、鳥やネコや犬と並んで、あなたが数学の天才である理由
数学する遺伝子 - あなたが数を使いこなし、論理的に考えられるわけ - sta la sta


だまされる視覚 錯視の楽しみ方 (DOJIN選書 1)

だまされる視覚 錯視の楽しみ方 (DOJIN選書 1)

いろんな錯視の説明と作り方がぎっしり。錯視は見て楽しいのはもちろん、自分で作るのもかなり楽しい。
だまされる視覚 錯視の楽しみ方 - sta la sta


自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝

自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝

常人には真似できないような過酷な人体実験に自らの体を捧げてきた偉大な科学者たちの物語。彼らの存在無くして、現代の科学の発展は無かった、かどうかは分からないけど。
自分の体で実験したい - 命がけの科学者列伝 - sta la sta


ヤモリの指―生きもののスゴい能力から生まれたテクノロジー

ヤモリの指―生きもののスゴい能力から生まれたテクノロジー

ヤモリが壁や天井を平気な顔(表情読み取れないけど)ですいすい移動している様を見て、「なんで奴らは重力に逆らえるのだろう?」と思ったことある方にオススメの一冊。


生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物の違いってなんだろう。そんな根源的な問いを深く深く探っていく、極上のミステリのような一冊。

社会系

セキュリティはなぜやぶられたのか

セキュリティはなぜやぶられたのか

セキュリティを考えると必ずトレードオフがつきまとう。多様な事例・視点からセキュリティを論じた一冊。
セキュリティはなぜやぶられたのか - sta la sta


『「社会調査」のウソ』の続編ですかね。データにだまされないために。


ウェブ社会をどう生きるか (岩波新書)

ウェブ社会をどう生きるか (岩波新書)

ウェブ礼参論への警笛。第1章からして「そもそも情報は伝わらない」というタイトルはなかなか刺激的。全部に同意する訳じゃないけど、こういった議論も必要なのだろうなぁ。


ウェブ社会の思想 〈遍在する私〉をどう生きるか (NHKブックス)

ウェブ社会の思想 〈遍在する私〉をどう生きるか (NHKブックス)

上の本と同時期に出版されたというのも興味深いウェブ社会本。<宿命>は結構怖い考え方ですね。。


環境ノイズを読み、風景をつくる。 (建築文化シナジー)

環境ノイズを読み、風景をつくる。 (建築文化シナジー)

都市計画のほころび=環境ノイズを、実際の写真と地図で楽しく紹介。VOWっぽい?
環境ノイズを読み、風景をつくる。 - sta la sta

文芸系

スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)

スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)

スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)

スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)

クリエイターの集う「スロウハイツ」が舞台の物語。物語終盤の伏線の回収はややアクロバティックながらもお見事。ラストも好きです。
スロウハイツの神様 (上)(下) - sta la sta


フィッシュストーリー

フィッシュストーリー

4つの物語を含む短編集。伊坂作品のサイドストーリーですね。私は『ポテチ』がお気に入り。
フィッシュストーリー - sta la sta


少年検閲官 (ミステリ・フロンティア)

少年検閲官 (ミステリ・フロンティア)

書物の無い世界でおこる奇怪な殺人事件。けっこうグロテスクな事件なのだけど、謎解きで明かされる真実がそのグロテスクさをきっちり説明してくれる。ぜひシリーズ化して欲しい作品。


赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説

鳥取の旧家に生きる3代の女の物語。面白かった。一気に読んだ。ちなみに第60回日本推理作家協会賞受賞作品です。
(発売日は年末だけど、まあギリギリ上期ということで)
同著者によるこちらもオススメ。
青年のための読書クラブ


図書館危機

図書館危機

作者が「月9っぽい」と自負するように独特のノリが気になるけど、気がつくとシリーズ全部読んでた。あと1作品で完結とのこと。


新釈 走れメロス 他四篇

新釈 走れメロス 他四篇

京都を舞台に日本文学をリミックス。走れメロス」のハイテンションぶりは絶品です。
新釈 走れメロス 他四篇 - sta la sta


月読 落下する花

月読 落下する花

人の最期の想いが月導(つきしるべ)という形で残される。その月導を読むことの出来る月読(つくよみ)が主人公の短編集。
既刊の「月読」も読んだけど、短編でいろんな月導を題材にした物語の方が好みですね。
落下する花―月読 - sta la sta


ミミズクと夜の王 (電撃文庫)

ミミズクと夜の王 (電撃文庫)

素直にいい物語だと思いました。


玻璃の天

玻璃の天

『街の灯』の続編。昭和初期を舞台に、令嬢・花村英子とそのお抱え女性運転手・別宮(ベッキーさん)をめぐる、メッセージ性に富んだミステリ。


首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)

首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)

上半期のマイ・ベスト・ミステリですね。雰囲気、ミステリ、どれをとってもお気に入りです。
首無の如き祟るもの - sta la sta


1000の小説とバックベアード

1000の小説とバックベアード

個人のリクエストでその人だけの物語を書く「片説家」の僕。が、昨日その片説家を解雇された僕のもとへ、「小説」を書いて欲しいという謎の女性が。ただひたすらに熱い作品。
第二十回三島由紀夫賞受賞作品。

その他

はじまりの物語―デザインの視線

はじまりの物語―デザインの視線

いろいろな物事のデザインの起源を探るエッセイ集。内容の面白さはもちろん、本書のデザインの美しさにも注目です。


X51.ORG THE ODYSSEY

X51.ORG THE ODYSSEY

人気ブログ『X51.ORG』の著者による取材旅行記。真偽はともかく面白い。


話すチカラをつくる本 (知的生きかた文庫)

話すチカラをつくる本 (知的生きかた文庫)

30分でコミュニケーションのエッセンスを得たい方にオススメ。
話すチカラをつくる本―この一冊で想いが通じる! - sta la sta


ピクトさんの本

ピクトさんの本

世界で最もデンジャラスな職業(?)についてるピクトさんの本。
ピクトさんの本 - sta la sta


差がつく読書 (角川oneテーマ21)

差がつく読書 (角川oneテーマ21)

読書の方法指南書。本書を読んで、ちょっと意識的に読書するようになった。
差がつく読書 - sta la sta


というわけで、下期もいろいろ読んでいきます!