アイデア発想術8「アサンプション・スマッシング」
今回の参考文献
クリエイティブ・シンキング―創造的発想力を鍛える20のツールとヒント
- 作者: 松林博文
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2003/03/01
- メディア: 単行本
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アサンプション・スマッシングとは?
直訳は「前提破壊」。ここでは広く「常識を疑う思考法」のことを意味する。
ブレストでアイデアが一通り出てしまったようなときに、前提を破壊することで思考の枠組みを広げたり外したい場合に有効。
アサンプション・スマッシングの進め方
- 問題を分かりやすい文章で表現する
- この問題を構成するできるだけ多くの前提条件を挙げる
- 前提条件(当然と思われていること)をくつがえしてみる。(アサンプション・スマッシング)
- アサンプション・スマッシングの結果、理解が深まったことについて話し合う
- 出されたアイデアのいくつかをさらに深めていく
アサンプション・スマッシングの例
病院の持つ悪いイメージを改善することを考える。
- 問題:『病院独特の暗い雰囲気を改善し、利用者に新しい癒しの場を提供するためにはどうすればよいか』
病院の現状(前提条件)を思いつくだけ挙げてみる。
現状(前提条件) | 新しいアイデアの例 |
---|---|
病院は気がめいる場所 | |
建物や病室は白い色の壁 | |
病室は薬品の臭いがする | |
病院内は禁酒 | |
各自の部屋にテレビが設置 | |
スピーカからは患者の呼び出しだけが流れてくる |
各前提条件について、それをくつがえすアイデアを挙げていく。
現状(前提条件) | 新しいアイデアの例 |
---|---|
病院は気がめいる場所 | 病院は気持ちが明るくなるような場所 |
建物や病室は白い色の壁 | 元気になる色の壁/心が落ち着く色の壁 |
病室は薬品の臭いがする | ポプリの香り/ハーブエキスの香り |
病院内は禁酒 | 問題がなければ飲酒可とする/病院内にバーやパブを開店する |
各自の部屋にテレビが設置 | ミニシアターで名作を上映する |
スピーカからは患者の呼び出しだけが流れてくる | 心が安らぐような音楽を流す/自然音(海、川、小鳥など)のBGMを流す |
出されたアイデアをもとに、新しい病院のあり方やデザイン等を考えていく。
- 病室の大きな窓から中庭の美しい草花を見下ろせる
- 心落ち着く配色・インテリアそして間接照明を取り入れ、「安らぎ」をテーマにした空間を作り出す
- BGMとして波の音を流し、特定の場所ではエッセンシャルオイルの香りを漂わせる
- ホールではコンサートを開いたり映画を上映する
- 医師が認めた患者は中庭に面したバーで飲酒が可能
- バー内で患者同士の交友を深めさせ、さらに常駐のカウンセラーが患者のメンタルケアを行う