Steve Jobs氏のようなプレゼンをするための10のポイント

Macworld San Francisco 2008 Keynote Address
Bloomberg - Are you a robot?


先日のMacworldでも素晴らしいプレゼンで会場を沸かせていたSteve Jobs氏。要点が分かりやすく、ときにジョークを交えながらの氏のプレゼンは見習うべき点が多いはずです。
そんなJobs氏のプレゼンを分析して、氏のように聴衆を沸かせられるようなプレゼンをするための10のポイントをまとめた記事がありましたので簡単にご紹介。
必ずしもJobs氏と全く同じスタイルでプレゼンをする必要はないと思いますが、各ポイントでJobs氏はどのような効果を狙っているのかという点を押さえて自分のプレゼンに活かしていきたいものです。
なお、今年のMacworldでのスピーチはApple HPまたはiTunesポッドキャストから見れますので、ぜひそちらも参照してみてください。

1:テーマを設定する

Macworld San Francisco 2008 Keynote Address
Jobs氏のプレゼンには毎度何かしらのテーマが設定されてますね。今年のMacworldでは「There is something in the air.」というテーマが掲げられていました。このテーマはキーとなる新製品のヒントにもなってますね。
テーマは必ずしもプレゼンの最初に示す必要はないですが、いったんテーマを設定したらプレゼン中に何度かそれを提示したり強調したりするのが良いようです。


2:「熱狂」を実演する

Jobs氏はプレゼン中に"extraordinary(並外れた)"、"amazing(驚くべき)"、"cool(イケてる)"といった表現をよく使いますね。そのように自分が製品に対して熱狂している様をそのまま言葉にして伝えることで聴衆の心をも熱狂させることができるということでしょうか。
自社の製品に思い入れが無いようでは製品の良さはなかなか伝えれませんよね。製品の新機能を"awesome(素晴らしい)"と思っているならそのまま口に出せばいいんです。

3:概要を示す

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今年のMacworldでJobs氏は次のようにプレゼンの概要を話していました。
「今日、話したい事が4つあります。ではまず○○から始めましょう・・・」
プレゼンの開始時や各項目の説明終了時にはプレゼンの概要について述べ、何を説明し終わったか、これから何を説明するのか、といった点を常に明確にするのがポイントですね。

4:数字に意味を持たせる

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今までのiPhoneの売り上げ台数は約400万台になるそうで、Jobs氏のプレゼンでもそれについて触れられていました。そこで単に400万台という数字を提示するのではなく、「平均すると、iPhoneは一日に2万台売れたことになる」と表現した上で、その数字が市場全体に対してどのような意味を持つかを実例で示していました。
数字をただ示すだけでなく、その数字に意味を持たせる文脈を考えて提示するほうが数字のインパクトがより大きくなりますね。
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5 :「忘れられない瞬間(見せ場)」を作る

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どのJobs氏のプレゼンでも、「見せ場」のシーンが一つは盛り込まれてますよね。今年のMacworldではやはりMacBook Airの紹介がそれに当たるでしょう。実際に封筒からMacBook Airを取り出したシーンは今でも印象に残っています。
自分のプレゼンで見せ場となる瞬間はありますか?もし無いのならぜひそういったシーンを演出することを検討されてはいかがでしょうか?

6:視覚的なスライドを作る

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よく目にするスライドは文字や表やグラフで埋め尽くされてるものですが、Jobs氏のスライドは正反対。文字はほとんどなく、イメージが一つ表示されてるだけだったりしますね。iPhoneの話をするときはiPhoneの写真だけ、みたいな。文字を表示するときもイメージの隣に短い文で載せるだけです。
箇条書きの項目よりも画像を増やすことを意識して、聴衆の視覚に訴えかけるスライドを作ってみては。

7:ショーをしよう

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Jobs氏のプレゼンでは動画を流したり、デモを見せたり、ゲストを呼んだりと、実に華やかなショーを見せてくれますね。
自分のプレゼンでも動画・音声や製品デモを取り込んだり、あるいは製品に関わった人をゲストで紹介して軽くしゃべってもらうのも面白いかもしれませんね。

8:細かいことは気にするな!

Jobs氏のプレゼン中に予期せぬアクシデントが発生しても、彼は軽いジョークで受け流してさっさと次の紹介へ移るそうです。
彼のような態度ができるのはかなりのプレゼン上級者な気もしますが、「プレゼンを楽しもう」「ちょっとしたトラブルは気にしないようにしよう」といった心がけでプレゼンへ臨みたいものですね。

9:メリットを売り込む

多くのプレゼンタが製品の機能を宣伝するのに対して、Jobs氏はそのメリットを売り込みます。例えばiTunesの映画レンタルを発表した際には次のようにメリットを紹介していました。
「みんな自分の音楽を所有したと思っているので、我々は音楽のレンタルモデルを提供してこなかった。お気に入りの音楽は何千回も聴くと思う。だがほとんどの人が映画を一回、あるいは数回程度しか見ていない。レンタルはそのためのすぐれた方法だ。それほど高くないし、ハードドライブの場所も取らない」
聴衆は常に自分にとってのメリットを考えています。彼らにメリットを推測させるのではなく、ぜひ明確な表現で彼らの疑問に答えてください。

10:練習、練習、また練習

Jobs氏のプレゼンは何度も繰り返したリハーサルの賜物。スピーチとプレゼンが見事にシンクロしたプレゼンの背景には多大な努力が隠れています。何度も何度も練習を繰り返したからこそ、あのように努力を感じさせないようなプレゼンが出来るのでしょうね。
優雅に泳ぐ白鳥も水面下ではバタ足してるそうですし。


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