2006年のお気に入りブック

2006年に読んだ本の中で個人的に面白かった本をご紹介。
ジャンル偏ってるかもですが参考になれば幸いです。
以下、適当にジャンル分けしてます。
(今年買った本はプロフィールにまとめてあります)

○○リテラシーを鍛える

環境問題のウソ (ちくまプリマー新書) 99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書) だまされない〈議論力〉 (講談社現代新書) リサーチ・リテラシーのすすめ 「社会調査」のウソ (文春新書)
地球温暖化などの環境問題が騒がれ始めてから随分たっていますが、「環境問題のウソ」でホントは何が問題なのかを確認。
また昨今メディアの流す情報の信用性に疑問を感じたりしますが、その点は「だまされない〈議論力〉」「「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ」で情報の接し方を学びました。
あと「99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方」も参考になりました。

社会・経済を知る

電波利権 (新潮新書) ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する まっとうな経済学 行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書) フラット化する世界(上) フラット化する世界(下) 雨の降る日曜は幸福について考えよう Think Happy Thoughts on Rainy Sundays
放送と通信の融合が話題ですが「電波利権」でTVの既得権益システムを知るとムカムカしてきました。TV側の意見も聞きたいところ。
経済学に関してはド素人な私ですが、そんな私でも「ヤバい経済学」は分かりやすくて面白かった。あわせて「まっとうな経済学」も面白かったです。
また行動経済学という学問をはじめて知りましたが、人は意外と経済合理的には動かないものなんですね。
チラホラと今年のベスト書籍に挙げているのを見かけたフラット化する世界は確かに面白かったし刺激的だった。インドのIT技術者と一緒に働いたことがある身としては説得力の強い内容でしたね。
本書を読んだときは晴れの日の日曜でしたが雨の降る日曜は幸福について考えようは自分の知らない世界(投資とか株とか)に対する見方が参考になりました。

Web関連の話題に触れる

「みんなの意見」は案外正しい ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 複雑な世界、単純な法則  ネットワーク科学の最前線 アンビエント・ファインダビリティ ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅 情報の私有・共有・公有 ユーザーから見た著作権 (叢書コムニス03) バズ・マーケティング なぜあの商品は急に売れ出したのか―口コミ感染の法則
今年はいろんなバズワードが飛び交いましたが、まずは集合知といえば「みんなの意見」は案外正しい。ぜひこの続編みたいな内容でもう一冊書いてもらいたい。
お次ぎはロングテール。発想はシンプルなだけにこの仕組みでお金を稼ぐのは大変そうだなと感じました。
今年はブログが大流行したおかげでWebの世界がグンッと広がったように思います。そんな世界に触れる際には「複雑な世界、単純な法則」を参考に。またアンビエント・ファインダビリティ」も関連するでしょうね。もはや検索エンジンで見つからない情報は存在しないことになっていると言っても過言ではない、かも。
「情報の私有・共有・公有」は直接にWebと関連する訳ではないですが、今年はYouTubeのおかげで著作権に関する話題が多かったように思いますしこちらに入れておきます。
また今年は「口コミ」を利用した宣伝が注目されましたね。バズ・マーケティング」「なぜあの商品は急に売れ出したのか」を読んで思ったのは、口コミには「アイデアと勇気と誠実さ」が必要なのだなと。それがあれば某企業のブログが炎上することもなかったかもしれません。

自然科学を学ぶ

Mind Hacks ―実験で知る脳と心のシステム 第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい 自分を知り、自分を変える―適応的無意識の心理学 眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く 動物感覚 アニマル・マインドを読み解く フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで 暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで ビッグバン宇宙論 (上) ビッグバン宇宙論 (下) 科学者という仕事―独創性はどのように生まれるか (中公新書 (1843)) ゼロからわかる アインシュタインの発見 (講談社現代新書) 哲学的な何か、あと科学とか
私は脳にまつわる書籍が好きなので、その関係で「Mind Hacks」「第1感」「自分を知り、自分を変える」はとても興味深い内容でした。
動物ものでは「眼の誕生」「動物感覚」が面白かった。特に「動物感覚」は自閉症を患う著者だからこそ見えてくる動物の心についての話が新鮮でした。
今年はサイモン・シン氏の作品を全て読めた。フェルマーの最終定理」「暗号解読」「ビッグバン宇宙論のどれも最高に面白かった。
また科学者自身にスポットを当てた書籍として「科学者という仕事」も良かったです。「ゼロからわかるアインシュタインの発見」アインシュタインという科学者が一体何を発見したのか確認してみました。
科学的思考については「哲学的な何か、あと科学とか」が平易な文章で分かりやすかったです。自然哲学から量子まで。

イデアの芽を育む

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書) BCG流 非連続思考法 アイデアがひらめく脳の運転技術 シェイク・ブレイン -脳をゆさぶり、創造力をつけろ!-
「誰のためのデザイン?」はその名の通りデザインやユーザインタフェースに関する書籍ですが、身の回りのデザインに目を向ける習慣が付いたおかげで「気付き」に敏感になったように思います。
イデア発想としては「BCG流 非連続思考法」「シェイク・ブレイン」が面白かったですね。個人的にはメソッドを紹介されるよりも、新しい視点がひらけたことが良かったかなと。
もうちょっとアイデア系の本は読んでみようかな。

文学を楽しむ

夜市 わたしを離さないで チーム・バチスタの栄光 重力ピエロ 四度目の氷河期 ボトルネック 春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫) 夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫) シャドウ (ミステリ・フロンティア) 向日葵の咲かない夏 夜は短し歩けよ乙女 黒沢清の映画術
積極的に文学作品に触れるのは幼少時代の「シャーロックホームズ」以来なのでまだまだ読み足りない感でいっぱいです。
「夜市」日本ホラー小説大賞受賞ということで怖い作品をイメージしていました。もちろん怖さはありますが、それよりも世界観とストーリーそのものに引き込まれましたね。「雷の季節の終わりに」も面白かったです。
今年読んだ文学作品の中で1、2を争う「わたしを離さないで」。静かに語られる物語、決して派手な展開はないけれど、どうしてこんなに心が掴まれたのだろう。ぜひもう一度、いや何度でも読み返したい。
チーム・バチスタの栄光は面白かったけど、続編が出るたびにアレ?と思うのはどうにかしてもらいたいです。さらなる続編に期待。
今年は伊坂幸太郎さんの作品(単著)を全部読めて良かった。どの作品も大好きだけど敢えて1作品選ぶなら「重力ピエロ」かなぁ。キャラクター、ミステリー、テーマのどれもが私の琴線に触れましたね。
青春ものでは「四度目の氷河期」と、ちょっと異色のボトルネックが面白かったです。どちらもラストが爽快、かな。
私的にはミステリーが好きなんですが、春期限定いちごタルト事件」「夏期限定トロピカルパフェ事件は「人の死なないミステリー」として楽しめました。またホラー+ミステリーな雰囲気の「シャドウ」「向日葵の咲かない夏」も面白かったですね。
唯一の恋愛もの夜は短し歩けよ乙女は、アニメに向いている気がしました。なんとなく。
文学ではないですが、私の好きな映画監督である黒沢清さんの黒沢清の映画術」は、映画に対する監督の興味深い考え方を読むことが出来てすごく良かったです。



「この本に興味あるならこんな本もあるよ!」といった情報などありましたらぜひ教えてください。