CGMではユーザによってサービスの質が決まってしまう(こともある)

starocker2006-08-05

CGM(Consumer Generated Media)、いわゆる「Web2.0」的なサービスって、ユーザの参加によってコンテンツが生成されるものですが、そのユーザの行動がサービスの質そのものを決めてしまうことがあるんですよね。


先日紹介したレンストラン情報共有サービス「MenuTree」。
今度アメリカに出張する会社の同僚がこれを見て便利そうだと言ってたんですが、いざ出張先の州や都市名で検索してもヒット数は0件。
その理由はMenuTreeのシステムそのものと、それを利用するユーザにありました。


まず、MenuTreeの検索では、

  • レストランの名称
  • タグ情報

をキーとして検索しています。例えば「Chinese」で検索すればそのタグの付いた中国料理のお店がヒットするわけです。
これらの情報は、ユーザがレストラン情報を登録する際に入力するものです。メニューの写真もその際に登録できます。


ただし、ここには落とし穴のようなものがあり、検索時には上述の2つの情報のみが利用されており、ということはつまり、ユーザが登録時に入力しなかった情報は(当たり前だけど)検索してもヒットしないわけです。
MenuTreeはサービスの質を完全にユーザの行為に依存しきっているんですね。
だから、同僚が検索しても何もヒットしなかった理由は、ユーザがその州・都市名をタグやレストラン名に入力していなかったためと考えられるし、あるいはホントにその州・都市近辺の情報がまだ登録されていないだけなのかもしれないし、どちらなのかはこのMenuTreeのシステムからは判断できません。
少なくとも検索した人からすれば、このサービスは「使えない」と思ってしまっても仕方ないでしょう。


ユーザ参加型のサービスでは、全てをユーザにまかせるのではなくサービス側もどこかでユーザの行為を補助する必要があり、例えば、MenuTreeの場合は、情報登録時に地域名の入力を促すような仕組みがあればまた違った結果が得られたのではないかと思います。
とは言え、何から何までサービス側が用意したり要求したりでは、せっかくのユーザ参加があまり効果的ではなくなってしまいますし、その辺のトレードオフというかバランス感覚というか、そういったものが昨今のWebサービスでは重要なのかなと。