螺鈿迷宮
- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/11/30
- メディア: 単行本
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この病院は、あまりにも、人が死にすぎる――
日本の医療界を震撼させた「バチスタ・スキャンダル」から一年半。その舞台となった東城大学に医学生として通う天馬は、留年を繰り返し既に医学の道をリタイア寸前だった。
ある日、幼なじみの新聞記者・葉子から、碧翠院桜宮病院に潜入できないかと依頼を受ける。
東城大学の近隣病院である桜宮病院は、老人介護センター、ホスピス施設と寺院を一体化させた複合型病院であり、終末医療の最先端施設としてメディアの注目を集めていた。
しかし、その経営には黒い噂が絶えないという。天馬は介護ボランティアとして桜宮病院に通い始めるが、ある時から疑念を感じる。「この病院、あまりにも人が死にすぎる」と……。
新装版 螺鈿迷宮 海堂 尊:文庫 | KADOKAWA
「チーム・バチスタの栄光」「ナイチンゲールの沈黙」に続く医療ミステリー第3弾。
私的にはこの著者の作品はミステリーというよりもエンターテイメント作品だと思っているので、たとえミステリーとしては突っ込みどころが多くてもあまり気にならなかった。
それより勤務医である著者の描く医療世界の奥深さを楽しめるかどうかが重要だ。私的には。
今回は終末医療がメインテーマ。
主人公である天馬がボランティアとして潜り込んだ桜宮病院は終末医療の最先端施設として注目の病院だ。
が、天馬の入院中(なぜボランティア→入院となったかは本書で)に堰を切ったかのように終末期患者が次々と死んでいく。
一体この病院で何が起こっているのだろう。
人の死と病院というシステム、あるいはそれらの関係について、色々考える事ができた。
もし自分の最期を病院のベッドの上で迎えるとしたら、そのとき医療はどんな姿をしているのだろう。
桜宮病院の闇を探る話の他のお楽しみは、この「バチスタ」シリーズを続けて読んでいる方にはおなじみの「氷姫」が初登場することだろう。
前作、前々作で名前だけ登場するキャラクターだったので、もしかしたら「コロンボ刑事のかみさん」みたいなポジションになるのではないかと危惧してたけど、本作でその心配を撤回してくれた。
キャラ設定には賛否両論あるだろうが、登場人物についてあれこれ考えるのも本シリーズの楽しみ方の一つなのかな。
著者のインタビューによれば4作目の構想は既にあるとのこと。次はどんな医療の世界を見せてくれるのか楽しみ。
そういえば、
はてなダイアリーブック欲しい!
Wii欲しい!
動画は「Joy of Painting (邦題:ボブの絵画教室)」より。懐かしい。年末年始で再放送してくれないかな、NHK。12時間連続でも見るのに。多分。