シェイク・ブレイン -脳をゆさぶり、創造力をつけろ!-

starocker2006-11-06

シェイク・ブレイン -脳をゆさぶり、創造力をつけろ!-

シェイク・ブレイン -脳をゆさぶり、創造力をつけろ!-

  • 作者: ジョエル・サルツマン,斉藤裕一
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 2006/10/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この『シェイク・ブレイン』は突飛なアイデアや問題解決法を思いつくためのヒントや実例、方法がこれでもかと散りばめられた本だ。
ただ問題を解決するだけでなく、あくまで「楽しく」問題を解決することを本書では目指している。
(原題は「How to Create Winning Solutions and Have Fun While You're at It」)
実際その通りで、紹介されるエピソードを読みながら「ホントに!?」「おもしろい!」と感じることが多かった。
著者自身、楽しんで本書を書いていたことが文章からも伺い知れる。


本書の構成は「心がまえ」「行動」「売り込み」の3パートから成る。
発想の枠を広げ、解決策を見つけ、それを売り込む方法を楽しく説明してくれる。


初めの「心がまえ」では、大胆になること、遊び心をもつこと、楽観的になることの重要さを学ぶ。
本章のページをめくるとすぐにアインシュタインのこんな言葉が飛び込んでくる。
はじめからバカげたアイデアでないのなら、見込みはない。
そしてヘンリー・フォードの次の言葉も紹介される。
「できる」と信じるか、「できない」と信じるか。どちらも、結果は完全にそのとおりになる。


脳が切り替わったなら次は「行動」パート。
本書ではこの「行動」にもっとも多くのページ(7割くらい)を割いている。それだけ「行動すること」が重要だということだろう。
非常にたくさんのヒントや実例が紹介されている中でお気に入りを一つピックアップしてみる。

バットとボールを持った少年が、「ぼくは世界一のバッターだ!」と叫びながら、自分でボールをトスして打とうとして、空振りする。少年はもう一度、「ぼくは世界一のバッターだ!」と叫びながら、ボールを打とうとして空振りする。そしてまた、「ぼくは世界一のバッターだ!」と叫んで、ボールをトスして空振りする。少年はまた叫ぶ―――


ぼくは世界一のピッチャーなんだ!
〜「14.ネガティブをポジティブに変えよう!」より〜


そして最後に「売り込み」。
あなたのアイデアがどれほど優れていたとしても、初めは必ずと言っていいほど反対意見にあうと思う。
そこで本章ではアイデアの素晴らしさを分かってもらうための売り込みの仕方を学ぶ。
方法は色々あるけれど、最も大事なのは自分自身が楽しみ続けることが出来るかどうかだ。
自分のアイデアを売り込むことが苦痛に思えてきたら、ちょっと立ち止まって「楽しめる方法」を考えるようにしたい。


本書の素晴らしさは実はその目次構成にもあって、各節のタイトルを並べてどこかに貼っておくと、アイデアに詰まったときや新しい発想が欲しいときなどにササッと使えるヒント集になる。

【目次】
Part1 心がまえ
1 大胆になろう!
2 心の準備をする
3 楽観的になろう!
4 まちがいの偉大さを学ぼう!
5 楽しもう!
6 自己嫌悪しないこと


Part2 行 動
7 先入観を疑おう!
8 問題設定のしかたが大事
9 「裏返し」の発想
10 絶対に「ノー」を答えにしない
11 エレガントな解決法を探そう!
12 「共感」してみよう!
13 「最悪」の解決法を考えてみよう!
14 ネガティブをポジティブに変えよう!
15 「まねはできないか?」と考えてみよう!
16 「あの人ならどうするだろうか?」と考えてみよう!
17 「見知らぬ他人」の助けを借りよう!
18 「イエス」を答えにしない
19 必ずメモしよう!
20 しばらく問題から離れてみよう!


Part3 売り込み
21 自分自身に売り込む
22 他人に売り込む
23 形にしてみる
24 「POP」で価値を示す
25 味方をつくる
26 キャッチーな名前を付ける
27 粘り強く!
28 楽しみ続けよう!

斬新、突飛、常識に縛られない、独創的な、そんなアイデアが欲しい方にオススメの一冊。
また先人達の名言集としても楽しめる本だ。