はてブにおけるホットな話題と普遍的な話題
はてブのトップページには
はてなブックマークは気になるページを自動で整理しホットな話題も教えてくれる便利ツールです。
という宣伝文句が書かれているが、そろそろ変えた方がいいんじゃないかと思った。
『気になるページを自動で整理し』はまあまだいいとして、(若干引っかかるけど)
引っかかるのが『ホットな話題も教えてくれる』という文句。
言うまでもなく、『ホットな話題』とははてブユーザの投票によって決められるホットエントリ/注目エントリの事だろう。
問題は、当該情報がどこでホットなものとして扱われているかだが、今のはてブを眺めていると
『はてブでホット』或は『はてなでホット』という表現が最も適当に思える。
ネットの縮図としてみるには、はてブはやや偏っている。
今日、友人数名と久々に飲む機会を得た。
が、そこでの会話に時折ついていけないことがままあった。
悲しい事に、私のテレビは現在故障中なので、若手お笑い芸人とか特定のテレビ番組について話されるとさっぱり分からない。
また、ニュースもIT系ばかり見てたため、殺人事件等はほとんど分からない。
しかし、周りはそういった話題に必ず食い付き、なおかつ結構な盛り上がりを見せることから、世間様ではそういう話題がホットなのかと思ったりもした。
それで、家に帰ってはてブをチェックしても、今日の飲み会で出てような話題はホットエントリ/注目エントリにほとんど見られない。
全く無いわけではないが、今日の飲み会の席での会話を追いかけるに十分な情報があるかと言えば難しいと思われる。
要は中途半端なのだ。
どうもはてブのホットと世間のホットとは、わずかにずれているらしい。
しかし私は、『ホット』にずれがあるからといって、それを直せだとかそれは良くないとか言うつもりは全くない。
なぜなら私はそもそもはてブにそういう面を求めてはいない。
私がdel.icio.usを見て凄いなと思う点は、del.icio.usのトップページを見ても世間の時事性がほとんど感じられない点だ。
確かにFirefox1.5のリリースやGoogleの新サービスリリースはいち早くフォローされただろうが、例えばアメリカで発生した事件の記事などがブックマークされているのを見たことがない。
実際ブックマークされているのかもしれないが、それでも全体から見れば極僅かだろう。
del.icio.usもホットな話題を提供するツールではあるが、世間一般とは視点や時間の流れ方を異にしているように感じる。
または、del.icio.usは時間の流れを超越した、もっと普遍的な存在として位置しているかのようだ。
では、はてブはどうか。
『国産ソーシャルブックマーク』であるはてブは、日本で事件が起きれば関連するニュースが次々とブックマークされる傾向にある。時事性がある、と言ってもいいかもしれない。
それは注目エントリを見ていれば一目瞭然だ。そしてそれはホットだ。
ホットであるが故に、一時は熱を帯びた話題もいずれは冷めてしまう。
はてブはこういう『冷める』性質を持った『ホットな話題』のみしか提供しないかと言えばそうではないと思う。
はてブはdel.icio.us同様な普遍性をも持ち合わせている、と思う。
正確に言えば、一度『ホットな話題』として取り上げられた話題でも、時間の経過とともに冷めてしまうが、それでその情報は天寿を全うするするわけではない。
その情報は姿が見えないだけで、確かにまだ活(生)きている。
『英文メールを書くときに便利な表現集』というエントリが再浮上したことがそれを物語っている。
むしろ『ホットな話題』が早々に冷えきって消えた後に残る普遍的な情報こそが、はてブの財産ではないかとすら思える。
冒頭の話題に帰ると、要は『ホットな話題』だけではなく『いつでもどこでも誰でも使える普遍的な話題』もはてブを検索すればたくさん出てきますよ、という点をもっとアピールすべきだと思う。
そういった普遍的な情報は一旦ははてブの底に沈殿し、人の前から姿を消すが、再び誰かの前に現れる日を今か今かと待ちわびている、のかもしれない。
そんな情報を救えるのは、もちろんはてブしかいない。